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外国語を学び始め、文字の読み書きができるようになると、学習者は辞書を引きながらある文章を解読してみたり、自分自身の言いたいことを表現してみたくなったりするのが常です。日本人が韓国語を学ぶ場合には、まずアヤオヨ・・・カナタラ・・・などの基本的な文字を学び、それからアンニョンハシムニカ?などの挨拶や決まり文句を学ぶのが普通の順序ですが、その段階を超えるとテキストの例文の丸暗記ではなく、もっと自分の関心が湧く文章を読んだり書いたりしたいと思うようになるのが自然です。 日本語と韓国語は非常によく似た言語なので、最も異なる「発音と文字」という壁さえ越えてしまえば、ある意味では日本人にとって韓国語ほど学びやすい言語はないと言えるでしょう。常に語順を逆転させながら訳す英語とは異なり、韓国語の文章構造は日本語とほぼ同じと言っていいほどよく似ており、主語がよく省略される点も似ています。また主語の人称や単数・複数の変化によって動詞の語尾が変化しない点も日本語と同じです。したがって辞書が引け単語の意味が分かれば、翻訳もさほど難しくないのです。 ところが、実際に辞書を引きながら韓国語に取り組み始めた学習者たちが、共通してぶつかる1つの壁があります。他の言語と同様、韓国語でも名詞は語尾が変化しないので辞書を引いて調べるのは簡単なのですが、動詞と形容詞は語尾が不規則に変化するものが多いために、これらが文中に登場した際、その意味を調べるために「基本形」に還元する作業が困難な場合が多いのです。その上、韓国語と日本語は動詞と形容詞のみで構成される言語と言っても過言でないほど、主語や目的語を省略してこの品詞のみで文章が構成されるケースが多いため、この段階でつまずいて韓国語への取り組みを放棄してしまった人もかなりの数に上るのではないかと思います。 そこで本書では、不規則に変化する動詞と形容詞を変化のパターンに従って体系化し、「ナマ」の韓国語の文章から「辞書の形」である原形を類推するための法則を伝授することによって、学習者がこの壁を乗り越えるお手伝いをすることを試みました。これによって、辞書さえあればどんな韓国語でも正確に翻訳することができるようになることでしょう。これについては、CHAPTER2で重点的に解説を施しています。 もう1つ、日本人が韓国語の用法で修得の難しいポイントは、尊敬語や謙遜語の使い方です。韓国社会には人間関係における地位の上下に関する伝統が日本よりもはるかに強く残っています。したがって、韓国語を上手に話すということとそうした上下関係にふさわしい表現方法をマスターするということは、切っても切れない関係にあります。特に目上の人に対する尊敬語、丁寧語、および半語と呼ばれるぞんざい語などを、身分や相手との親密さ応じて使い分けることは、韓国語をマスターする上での必須の課題となります。また、話し言葉と書き言葉では表現方法が異なることも多く、文章表現でのみ用いられる表現の修得も重要な課題となります。 本書は、こうした状況に応じた韓国語の用法を体系的に解説しています。特に、日本語と韓国語の敬語表現の慣習上の違いなど、日本人が間違いやすいポイントを押さえていますので、これから韓国で生活したり、韓国に仕事で出かけるという人が、言葉の問題で人間関係に支障をきたさないようにするのに役立つのではないかと思います。これについては、CHAOTER1で詳しく説明してます。 また、APPENDIX(補章)では、韓国語の辞書を引く方法から始まって、多くの日本人が間違えるポイントをいくつか取り上げて説明してみました。本書は、韓国語文法のすべてを網羅しようとしたものではなく、特に日本人が韓国語を学ぶ上でポイントとなる点、間違いやすい点に絞って、実用的なガイドとなることを願って制作されました。私がこれまで20年近く直接現場で教えながら、学生たちから受けた質問の中で、他の教科書では容易に答えを見つけられなかった内容を選んで扱いました。ですから、「かゆいところに手が届く1冊」と評価していただければ、著者の目的はほぼ達成されたと言えるでしょう。レベルとしては中級以上の学習者を対象としていますが、初級の学習者でもハングルの基本的な読み書きができれば十分に使用できます。 内容構成は実際の授業での講義の形式に基づいています。まず、1つのテーマについての説明があり、それに対する学習者たちの質問と教師(著者)の答えが「現場からの質問」にあり、学習者たちに強調したい内容を「注意」と「ノート」で表示しました。「付記」や「参照」は知っておけばよい程度の内容です。特に「基本形を探す方法」は一方的に教師が説明する形式ではなく、学習者たちが基本形を探す時に生じる困難を自然と解決に導くように「確認」の形式で作りました。「現場からの発想」あるいは「学習者の視点」が本書の特徴と言っていいでしょう。 韓国語では語幹とさまざまな種類の語尾が調和をするとき、一番難しい時制が現在時制です。現在時制では動詞と形容詞を区別しなければならないし、語幹の最後の文字の母音のタイプを区別しなければならないし、また、その最後の文字にパッチムがあるか否かを区別しなければなりません。そのため、本書では、現在時制を重点的に解説しました。現在時制だけでも確実に理解できれば、それ以外の時制はさほど難しくないと思います。 私はこれまで、多くの日本人が韓国語の修得に努力する姿を見てきました。せっかく努力して学ぶ韓国語であるならば、正しい韓国語を身につけ、自信を持って韓国人とコミュニケーションができるようになるに越したことはありません。本書がそのような学習者たちの努力を助ける良き導き手となることができれば幸いです。
著者
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