社会人になってもしばしば遅刻する人は、いくら注意されてもなかなか直らない。その最大の原因は、「約束を守る習慣」が身に付いていないからだ。この習慣は、子供の頃に養っておくべきものである。わが子をきちんと教育しないと、将来、社会に迷惑をかけることになる。
子供と約束をする場合、約束が果たせなかった時の「罰」を子供自身に決めさせることが大切だ。そうすることで、子供の主体性や責任感が育まれる。1年前、長女が「夕食前に宿題を終わらせる」という約束を破った。弟たちに誘われて、つい遊んでしまったのだ。約束を破った罰は、「夕食を食べない」ということであった。自分で決めた罰なので、皆が食事をしている中、長女は必死に耐えていた。
その時、驚くべきことが起こった。普段はモリモリ食べる弟たちが、「お姉ちゃんにあげる」と、ご飯とおかずを少しずつ残したのである。私は「ダメだ」と言い放った。一家の規律を子供に変えられては、お父さんの立場がなくなる。一家の主は子供ではなく、お父さんなのだ。しかし、心の中では素晴らしい姉弟愛に感動していた。思わず涙がこぼれそうになったので、そそくさとお風呂に入った。私の入浴中、妻が長女に食事をとらせたことは言うまでもない。
子供を赦し、いたわるのが、お母さんの役割なのだ。規律と赦しを織り交ぜ、日常生活をドラマチックに演出すれば、子供たちの人格は立派になると思う。厳しいお父さん、優しいお母さんという、日本の古き良き伝統を復興しよう。