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お父さんの背中

第16回

 

親の生き方そのものが教材

コラムニスト 大森 浩一郎

 ある女性の読者から1500字にも及ぶ丁寧な感想文をいただいた。貴重なご意見に感謝したい。著者にとって、読者からの感想は最大のエネルギー源となる。感想が1つも寄せられなければ、力は出ない。会話と同じだ。自分だけ一方的にしゃべっていたら疲れるだけである。自分の言葉に対し、なにがしかの言葉を返してくれるから、おしゃべりは楽しいのである。

 今回いただいた長文の感想文は、私に大きな力を与えてくれた。きっと家族を愛し、いたわる良き妻であり、良き母なのだろうなあ、と感じた。さて、その感想であるが、ありがたいことに、おおむね拙文に好意的な内容であった。ただし一か所だけ、次のような記述があった。

 「これは全部実話ですか? 何の不安もなく、子育てしている人はいないと思います」もちろん実話である。そして、もちろん私も子育てに不安がないわけではない。失敗の方がたくさんあるだろう。ただ、私がモットーとしていることは、失敗を失敗で終わらせないということなのだ。失敗から謙虚に学び、成功に生かそうと日々努力する姿勢を、決して忘れないように心掛けている。そして、そのような私の生き方、つまり「お父さんの背中」を見て、子供たちに育ってもらいたいと願っているのだ。

 「人生とはなぁ…」と、子供に偉そうなことを言っても、あまり効果はない。同じ屋根の下で生活しているのだから、子供たちは親の生き方をよく見ている。子供たちにとって、親の生き方そのものが教材なのだ。


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